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端座位、再開です。

12月28日
早いもので、たけちゃんの退院から1週間がたとうとしています。

今日は雪絵ちゃんのお誕生日、宮ぷーさんは外泊中で、
『僕のうしろに道はできる』のやっちゃん監督は、
今朝、宮ぷーさんとかっこちゃん、お二人の撮影のため、雪の中石川に向かったとのこと。
こちらは雪の気配さえ感じられない快晴でしたが、
雪絵ちゃんに守られながら、きっと素晴らしい時間をかっこちゃん達が過ごしていると思うと、
私もなんだか嬉しくてたまらなくなるのでした。


退院後のたけちゃんは、体温調節が難しかったり、痰が硬くなってしまったり…
と、なかなか安定した日常は取り戻せずにいます。
それでも、しっかりたけちゃんが眠れていることはとっても安心するし、
生活リズムがバラバラだとしても、たけちゃんが眠れる時にしっかり休ませてあげたいと思います。

入院中はどうしても自分のリズムを保つというのは難しいし、
私も面会の間はできるだけ刺激をたくさんあげて、できるリハビリはしたい…
というスタンスでした。
たけちゃんもその気持ちに答えてくれて、
手足を動かしてくれたり、目を開けて、いろいろお話もしてくれました。
そういう状況の中で、たけちゃんが呼吸器を装着せずに、どれだけガス交換ができるか、
入院中1回目は30分、2回目は1時間でチャレンジさせていただきましたが、
目を開けることもできず、二酸化炭素が少しずつたまっていく様子を見て、
担当の先生は今後も短い移動などを除き、自発呼吸で過ごすのは難しいという判断をされました。

私は、その時のたけちゃんの状態をしっかり記憶しようと思いました。
家に帰ってくれば、体内に二酸化炭素がどれだけたまっているのか、
客観的に示すものはありません。
顔色、呼吸の回数、呼吸の深さ、心拍数の変化…その変化をしっかり胸に焼き付けて帰ってきました。


たけちゃんの判断はいつだって間違っていたことはなかったなあと思うのですが、
眠い時は休息が必要だから寝かせてあげよう、そう過ごして3日目の25日、
たけちゃんは午前中ほとんど起きることはなく、午後になってようやく目を覚ましたのですが、
とてもすっきりと目を開けていて、自発呼吸もとてもしっかりしているように感じました。
モニターの酸素化の値も心拍数の値も落ち着いていたので、
この日久しぶりに呼吸器を付けずにたけちゃんを抱っこしました。
たけちゃんは私の腕の中でもとても落ち着いて過ごしてくれて、
目を閉じることもなく、口をもぐもぐ動かして、何か一生懸命お話ししているようでした。

「たけちゃん、呼吸器つけていなくても、こんなに落ち着いて過ごせたね!!
すごいね、すごいね!!」
そう言ってほっぺにチューすると、口角をひきあげて、密かに抵抗するたけちゃん。

「かんしゃ してるけどね
できれば それ(ほっぺにチュー)は やめてほしい」
と言ったたけちゃん、
「ぎゃはは、それはできない相談だね」とかえしたら、
「やっぱりね…」と言ってました。


26日も同じように午前中いっぱいほとんど寝て過ごし、お昼過ぎに目が覚めたたけちゃん、
「病院にいた時は、こんなにしっかり、ずっと目を開けてくれていたことはなかった。
温度や湿度の調整、環境的にはシビアな時期だけど、
やっぱり早く家に帰ってくることが出来て良かった」としみじみ思うのでした。
そして、前に進むための1つの決断をしました。
「端座位」の再開です。しかも、呼吸器なし。
表面的な変化は私がしっかり観察する。
もし苦しいようなら、呼吸器をつければいい。
体を支えていないといけないから同時に通訳はできませんが、
幸いなことに、我が家には指談ができるお姉ちゃんがいます。
お姉ちゃんに隣りに座ってもらって、辛いようなら指談で伝えてねと言って始めました。

以前に比べると、当然ですがしっかりサポートが必要です。
それでも酸素化も呼吸も脈も変動なく5分がたちました。

「せつたい なおすよ」

「あれ、ぜったい…かな?
たけ、ぜったい なおすよって言ったの?」ひなが確認すると、
手のひらに大きな○を書いたたけちゃん、
端座位初日、無事10分クリアしました。

ベッドに戻ると、すぐに呼吸器をつけましたが、
「こうやって、呼吸器ともうまく付き合いながら、前に進んでいけばいいよね。
わーい、たけちゃん座れたよ!!大丈夫、大丈夫、
どんどん強くなるよ。」
嬉しい嬉しい、端座位のスタートです。


10分は楽々クリアだったので、昨日は15分頑張りました。
終わった後、「ひなちゃんと はなしたい」と伝えてきたたけちゃん。

「とっても うれしかった  みんなと あえたから」とたけちゃん。

たけちゃんらしい言葉だな…と、ひなりもすぐに気付いたと思います。
まだ思うように笑うことも泣くこともできないたけちゃんだけど、
ちゃんと思いは伝えられる、たけちゃんと話しができる。

「うん、良かったね。また一緒に、学校行こうね。
みんなも、先生も、すごく楽しみに待ってるよ。」

また再び二人で話しができるようになって、とても嬉しそうなひなりです。

そんな二人の姿を見ていると、不思議ですね、
こういう状況になってしまっても、
「やっぱり今年はいい年だった。今この瞬間も、すごく幸せだな~」と思えてならない母です。




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メリークリスマス!!

ブログの更新がすっかり止まってしまってごめんなさい。
たけちゃんの退院の調整が始まってからというもの、
バタバタと時間ばかりが過ぎてしまい、
パソコンを開く余裕がなくなってしまいました。
これまでもたくさんの方にいろいろな形でメッセージをいただいていましたが、
なかなかお返事ができずにいることも、本当にごめんなさい。

すでにかっこちゃんがメルマガで伝えてくださったり、
facebookではお伝えさせていただきましたが、

12月22日の日曜日、たけちゃんが無事退院の日を迎えることが出来ました。
こんなに早く、この日を迎えられたこと、
たけちゃんに本気で祈りを届けてくださった皆様のおかげで、
ただただ感謝の気持ちでいっぱいです。
本当にありがとうございました。

1カ月ちょっとの入院生活で、すっかり温室育ちになったたけちゃん、
家に帰って来てからは、こちらの生活に慣れようと、一生懸命頑張ってくれていますが、
痰の性状の変化や体温の調整など、
なかなか落ち着かない時間を過ごしています。

それでも振り返ればたけちゃんがここにいてくれること、
家族一緒に過ごせる今の一瞬が、
愛おしくて、ありがたくて、胸がいっぱいになります。

報告が遅れたまま、時間ばかりが過ぎてしまいそうなので、
簡単ではありますが、たけちゃんより一言。


「いのりつづけてくださって ありがとうございました
わきあがる おもいも ことばも
また ここから たちあがってみせる」


大好きな、大切な皆さんが、素敵なクリスマスを過ごされますように…

メリークリスマス!!

2013_1217_161939-DSCN1686.jpg
(こちらの写真は入院中の病棟のクリスマス会の時に撮っていただいた、12月17日の写真です。)


退院に向けて動きはじめました。

ブログ、なかなか更新できず、御心配おかけしてごめんなさい。
おかげさまでたけちゃんは、状態が悪化することなく、
回復街道をひた走っています。
事後報告になりますが、紹介させてくださいね。


12月10日

入院後から左ソケイ部に入っていたCVという最後の点滴ルートを抜いていただきました。
ずっとたけちゃんの命を助けて、守ってくれた点滴さんに、
何度も何度も「ありがとう」と声をかけてお別れしました。

点滴が抜けたことで、ようやく座位の許可をいただくことができました。
ベッドアップ60°に起こして、窓のほうに顔を向かせてあげると、
目をよくあけてくれて、いろいろ感じ取っている様子のたけちゃんでした。

「つらいことのあとのよろこびは か・い・か・ん」と
言ったたけちゃんでした。


12月11日

病棟の立派な呼吸器から、在宅用の呼吸器に切り替えました。
いよいよ退院に向けた調整の始まりです。

呼吸器を切り替える前に、30分、自発呼吸で頑張りました。
呼吸器をはずすとびっくりしたのか、一度大きなためいきをついて、
それから思い出すように、自分で呼吸するのを頑張りました。
目は閉じていますが、一生懸命自分で呼吸している姿を見ると、
「ああ、こんなに頑張ってくれている」とこみ上げるものがありました。

在宅用の呼吸器は、この入院の前から変更が検討されていたので、
この入院を機に、新しい呼吸器に切り替わることになりました。
新しいパートナーとの相性は悪くないようですが、
体の中の二酸化炭素がたまりぎみということで、
数値などの調整が今後必要になってくるとのことでした。

在宅生活を始めてから、ずっとたけちゃんを助けてくれていたパピーⅡさん、
長い間、お世話になりました。
新しいパートナーのパピーⅩさん、どうぞたけちゃんと仲良くしてください。


12月12日

在宅用の呼吸器に切り替えた時、先生はおもいきってずっと使っていた酸素を中止しました。
たけちゃんの回復にどう影響するのか、私はただ見守ることしかできませんが、
きっと良いふうになると信じようと思います。

私が少し不安を感じているのを、たけちゃんは気付いたのでしょうか?

「くりすますに ろうそくのひを ともしてあげる。
たのしみにしていてね」と、
たけちゃんに言われてしまいました。

たけちゃんにとって、ろうそくやランプの灯りは『希望の象徴』なのです。

あーあ。
またまたたけちゃんの言葉に救われてしまった母でした。


12月13日

血ガスの結果を見て、先生の説明では
「在宅用の呼吸器に切り替えただけで、二酸化炭素がたまってきているので、
今後、自発呼吸で頑張るというのは難しいことだと思います。
移動の時などの短い時間を除いて、
ずっと呼吸器をつけた生活になると思います。」とのことでした。

学校に行く時も、お出かけをする時も、ずっとだという先生の説明に、
「お母さん、大丈夫ですか?」と、担当の看護師さんが気遣って声をかけてくださいました。

「現時点での先生の判断ということですよね。
ずっと呼吸器が必要と言われたからと言って、
家に引きこもるつもりなんてまったくないですよ。
学校だってもちろん行きます。
たけちゃんは学校に通いだしてから、体も丈夫になったし、
反応もしっかりしてきたのです。
子供たちの中で育つことが、たけちゃんにどれだけのパワーをもらえるか、
たけちゃんがどれだけ強いか、
そのことだけは、先生よりも私のほうがずっとよく知っています。
今は呼吸器が必要かもしれない。
でもずっとじゃないです。必ず回復することを私達は知っています。
だから、大丈夫です」と話しました。

入院してからというもの、たけちゃんの日常生活について、
看護師さん達にはたくさんお話しをさせていただきました。
医学の常識からかけはなれた生活に、
皆さん、驚かれます。
「でもね、人間はすごいんですよ。
教科書どおりじゃないんです。
教わったこと、経験されたことと逆かもしれないけれど、
たけちゃんが今こうして教えてくれている、
そのことは何も否定できないことです。」

私が信じるものは、目の前のたけちゃんの生きる力、
だから絶対 大丈夫です。


つづく



泣き虫たけちゃん

日曜日、一週間ぶりの主人の面会です。
前日、地元のお友達から連絡をいただき、
お姉ちゃんはたけちゃんの友達のNちゃんのお宅で過ごすことになりました。
地元のお友達の優しさが、こんな時、身にしみます。

今日もたけちゃんは目を閉じ気味です。
でも、主人に
「たけちゃん、歯磨きの時、手足をいっぱい動かすんだって!?見せて」
「今日も指談の練習、させてね。」と言われれば、
頑張って起きて協力してくれるのでした。

手足の動きは本当に何度も見られるので、
主人もとても驚いていました。
指談のほうは、主人も少したけちゃんの動きがわかるようになってきたようです。
真剣なまなざしで練習している二人を眺めて、
なんだか嬉しい気持ちで心がぽかぽかしていました。

お昼の注入でおなかがいっぱいになると、
とうとう、どんな刺激も反応せずに熟睡してしまって、
午前中、私とはほとんど話しができませんでした。

午後、吸引や体位交換などで目をあけたたけちゃん、
とたんに目から大粒の涙をぽろぽろこぼし、
口をいっぱい動かして、何か伝えようとしています。
急いで指談しましたが、
いつものようにはうまく平仮名を書けずに、
なぜだかとても慌てているようでした。
私達も普段感情が高ぶっていたりすると、
字もうまく書けなくなりますが、そういうことなのかな…と思いました。

「たけちゃん、ごめんね、もう少しゆっくり丁寧に書ける?」と声を掛けましたが
それでも、全ての平仮名を拾いきれないほど、
たけちゃんの書いた文字は切羽詰まっているように感じました。

おそらく、たけちゃんは幻聴に苦しんでいるのかな…と思われました。

『応援してくれる声と、そうじゃない声、両方聞こえる。
まだ目も見えないし、 こわい…』
拾った文字をつなぎ合わせると、こんな感じになるのかな…と思いました。

「たけちゃん、いやな言葉も聞こえているんだね?
まだ目も見えていないから、とっても怖いよね…

そうだ、たけちゃんにはかっこちゃんからもらった魔法の杖があるよ。
おとずれるどんな困難も、乗り越えることができる杖、
たけちゃん、今日はしばらくこの杖を胸に抱いて寝ようね…」
それでも、たけちゃんの涙が止まりません。

外はすっかり暗くなってしまいました。
たけちゃんは今夜どんなに心細いことだろう…?
後ろ髪ひかれるようにして病棟を離れ、
お姉ちゃんのお迎えに向かいました。


翌日、夜の様子を看護師さんに聞いてみると、
「良く眠れていた」とのことでした。
たけちゃんに、「昨日はいっぱい泣いちゃったね、大丈夫だった?」と聞くと、
『ふあんのなかにいても しあわせをみいだすのが このぼくだよ。』と、
泣き虫たけちゃんはどこかに行ってしまっていました。

「幻聴は? まだ辛くなるような言葉が聞こえているの?」と聞くと、
『うんめいに したがうのも つとめだな』と言ったたけちゃんでした。

『(目も)ぜんぜん みえていないわけじゃないから
つたえたい  だいじょうぶ』

「昨日はお姉ちゃん、Nちゃんの家で、女子だけでトランプしたり買い物したりして
楽しんだんだって。
それにね、Nちゃんと指談の練習もして、
お母さん達にもみてもらったみたいだよ。
ひな(お姉ちゃん)も頑張っているし、寂しく過ごしていないよ、安心してね。」と伝えると、

『はやく ひなちゃんに あいたいな』と、涙をポロっとこぼしました。

「たけちゃん、お母さん今日、夢を見たよ。
退院してひなちゃんと再会したとたん、目でしっかり姿を追って、
たけちゃん初めてニコッと笑っていたよ。」

きっとその時が来ると、心から信じて伝えました。


生まれつき重い障害をもって生まれてきたたけちゃん。
きっとこれまで弱音を吐くことも、甘えることも、
たくさんたくさん我慢してきたと思うのです。
いつも大人で、かっこいい言葉を伝えてくれるたけちゃん。
だけどこんな時だからこそ何もがまんしないで、いっぱい泣いて、甘えてほしいな…と、
勝手なことを願ってしまう母でした。

嬉しい歯磨き

年末になると、道路やら電線やら、工事が多くなりますね。
たけちゃんへの病院に向かうまでの道でも、
日増しに工事が増えて、渋滞があちこちで発生します。
それで、今日は病院に到着するのが少し遅くなってしまいました。

担当の看護師さんがケアをすでにはじめてくださっていて、
私も途中から加わりました。
たけちゃんの担当は、病棟で唯一の男性看護師さん…
しょうがないよ、「病棟始まって以来の大きい子」と言われるたけちゃん(^_^;)、
力持ちじゃないと、務まらないもんね…

「たけちゃん、だいぶ安定してきましたね。
来週には、おうちの呼吸器に切り替えるということだし、
また変わってくるでしょうね。」

「ありがとうございます。
少し、自発呼吸で頑張ってもらう練習とか始まるでしょうか?
そしたら、そろそろ座らせるのも良いですかね?
しつこいくらい、毎日聞いちゃうけど、座りたいんですー!!」

「えへへ、また先生に確認ですね。
たけちゃん、バギーとかに座っていたんですか?」

「座位保持椅子にも座るし、ベッドサイドやバランスボールにもすわりますよ。」

「えー!! バランスボールですか? すごいな。
他に、たけちゃんはどんなことが好きなんですか?」

「たけちゃんはまじめなので、勉強が好きなんですよ。
あと、やっぱり男の子ですからね、激しい遊びが好きです。
キャスター車ってご存知ですか?
教室中、ぐるぐるスピードを出して走ると、めちゃくちゃ良い笑顔になります。
…だからね、今はちょっと刺激が足りなすぎて、
これで起きてって言われてもね…」

「へぇ… おー!! たけちゃん、そんな生活だったんだ。すごいな…」
聞くこと全てがカルチャーショックだったようで、
とってもびっくりしながら話しを聞いてくださった看護師さんでした。


昼の注入の時間がせまっていたので、歯磨きは後回しになりました。
ケアの間目をあけていたたけちゃんですが、今日は眠そうな感じです。

「あ、たけちゃん、寝ちゃうの? まあ、良いけどね、
たけちゃんに、また、いっぱいプレゼントが届いているから、
見て、さわってね…

あと、今日も嬉しいメールやお手紙もたくさんいただいたから、
夢の中でも聞いていてね。」

次から次へと出てくるプレゼントやメールの言葉に、
律儀なたけちゃん、しっかりと目をあけて確認していました。

とっても特徴的な話し方の担任の先生の声をまねして手紙を読んでいると、
「お母さん、本当にそんなふうに話す先生なんですか?」と、
看護師さんにゲラゲラ笑われてしまいました。

「えー、オーバーじゃなく、けっこう似ていると思いますよ。ねえ、たけちゃん?」
たけちゃんに救いを求めると、

『さすが おかあさん へこまないよね』と言われてしまいました。


そうこうしているうちに注入が終わったので、
たけちゃんが寝てしまう前にと、歯磨きを始めました。
横向きになって、いつものようにモアブラシで前歯をゴシゴシと始めると、
体の上側になっていた左手の指が、払いのけるようにパーの形に開き、
左足もぐぐっと引きつけるようにするのでした。
たけちゃんは生まれつきの拘縮があって、特に手はもともと
動きがとても小さく弱かったのです。
でも前歯をごしごしするたびに「やめて」といやがるように、
何度も何度もひらひらと指を動かすのです。

「わあ!! すごいよ、たけちゃん。
指がこんなに動くの、初めて見たよ!!
たけちゃん、くすぐったいの? やめてって言ってるの?
でも、自分でやったら文句言えないね」
そう言いながら、今度はたけちゃんにモアブラシを握らせてごしごしすると、
手も足もうそのように反応しないのです。
再び私が持ってごしごしすると、やっぱり何度も何度も
指をひらいたり、足をひきつけたりするのでした。

ああ、うれしい!! うれしい!!
こうなると、もはや口腔ケアではありません。
ブラックな私が表れて、拷問のようにしつこくごしごししちゃうのです。

「たけちゃん、これさあ、指に何かおもりとかつけちゃう?
けっこうなリハビリになりそうだよ。
それで、指の力が強くなったらさ、
スイッチ押すのだって、夢じゃないよ~!!」
嬉しい妄想がふくらみながら、
たけちゃんが「眠いんだよー、もう、やめてよう」とアピールしているのを感じているのに、
20分以上ごしごししながらにやけている鬼母でした。

廊下でそっと様子を見守ってくださっていた看護師さん、
「くっくっくっ」と笑って
「たけちゃん、このお母さんじゃ寝てられないね。
おもしろいお母さんだね…」と、また笑われてしまいました。


なんだかんだ言って、今日も3時間目を開け続けてくれたたけちゃん、
とうとう限界だったようで、

『またね』と言葉を残して、
深い眠りに落ちていきました。


ありがとうございます。
たけちゃんのそばで、こんなに毎日、笑って過ごせるようになりました。
支えてくださる皆さんのおかげです。
本当にありがとうございます。

たけちゃんの涙

ここのところ、一日置きにしっかりと目を開けてくれる日、
昼間でもぐっすり寝ている日をくりかえしているたけちゃんです。

今日はぐっすり寝ている日でしたが、
なんとおしっこの管が抜けて、注入の量も家にいる時と同じ量になりました!!
眠っていても、自力でちゃんとおしっこを出してくれて、
栄養もだいぶ消化できるようになりました。
やっぱり今日もえらいたけちゃん、嬉しいことがいっぱいの今日でした。


昨日は面会に行くと目をぱっちりあけてくれて、
3時間も起きていてくれました。

洗髪・体拭き・ガーゼ交換・歯磨きなどのケアを一通り済ませると、
たけちゃんが涙をこぼしていました。

「たけちゃん、どうして泣いているの?」と聞くと、

『これは かなしみのなみだじゃないよ
こころと からだが ちがうことってある』
って教えてくれました。
きんこんの会でも、たけちゃんの仲間がよく言うことなので、
すぐに納得できました。


話しをしていて、ふと、たけちゃんの目の奥が輝いた気がしました。
まだNICUにいたころから、時々感じてきたもので、
どんな状況の時も、その目の輝きに「大丈夫」と思えたものでした。
これまではそれを確認する術がなかったけれど、
今は指談でたけちゃんに聞くことが出来ます。
すごくドキドキしながら、たけちゃんに聞きました。

「たけちゃん、もしかして、今見えた?」

『みえた』
いつもよりも、大きくしっかり書いてくれました。

「お母さんの顔、見えたの!?」

まぶたをパチリ。

「わー!!良かった~ 見えたの!? 」

またまぶたをパチリ。

「今、お母さんの顔見えたよって、まばたきで教えてくれたの!?」
すると『ふーん』とため息をつくたけちゃん。

『むずかしいね
いま みえたとおもったのに
また みえなくなっちゃったよ』

「ああ、そうなんだね。
でもたけちゃん、前より対光反射もしっかり出てきたよ。
目の玉の動きも、右左だけじゃなくて、
今ちょっとだけ、上下にも動いたんじゃないかな~
大丈夫、大丈夫、必ず見えるようになるからね。」と
お話ししました。


お昼の注入の時、まだ朝入れた栄養があまり消化できていなくて、
看護師さんが指示を確認した先生は、いつもとは違う先生でした。
「今日はT先生はお休みですか?」

「午前中は外に出ていて、午後戻ってきますよ。」

「たけちゃんが入院してから、顔を見ない日はないので、
お休み、全くないのかな?って、心配していたんです。」

「T先生は、けっこう気になっちゃうみたいで、
当番じゃない日でも、たいがい顔を出すんですよ」

「結婚されているんですか?
じゃあ、御家族も大変ですね。
いつも来ていただいて、ありがたいけど、ね?、たけちゃん」

看護師さんと世間話をしていると、
たけちゃんがポツリ、

「はたらくって たいへんだね」

ぷぷ、おもわず笑っちゃったけど、
本当は「ああ、やっぱりちゃんと聞こえているんだな」ってわかって、
嬉しかったんだ。


目をあけてくれてから、かれこれ2時間、
お腹も満たされてきて、少し眠くなってきた様子だったので、
いつものようにかっこちゃんの本を読むことにしました。

何を読むかは、私の気分次第です。
かおりちゃんのお話~大好きは嬉しいっていうお話~を読みました。
生まれてからずっと言葉を発しなかったかおりちゃんが、
中学2年生の時にかっこちゃんと出逢って、
かっこちゃんが大好きになって、そして、
「あーあ」と、「いーい」と…
そしてお母さんに「まーま」と言えたお話し。

かっこちゃんの講演会でも聞いたし、
CDでも何度も繰り返し聞いて、
本も何度も読んだけど、
やっぱり嬉しくて涙があふれてきます。

「えへへ、お母さん、泣き虫」と目をやると、
眠そうにしていたはずのたけちゃんの目には、
涙がいっぱいたまっていました。

聞かなくても、この涙の意味はわかる気がしましたが、
聞いてみたらやっぱり!!

『かっこちゃんに あいたいな』

「そうだね、かっこちゃんに会いたいね。
元気になって、会いに行こう。
また何度だって、会いにいこうね。」

でもね、たけちゃん気付いてる?
かっこちゃんは、いつだってたけちゃんのそばにいてくださっているんだよ。
かっこちゃんだけじゃないよ。
白雪姫プロジェクトのたくさんの仲間、お空の友達、
学校のみんな、保育園で一緒だったお友達も、
みんながみんな、たけちゃんのことを応援し、
祈り続けてくださっているよ。

忘れないで、みんなでひとつの命を生きていること、
すべて、大丈夫だということ。

回復への扉が見えてきました。

12月1日

「前の日から血圧をコントロールするお薬を中止していますが、血圧も心拍数も落ち着いていますね。」嬉しい看護師さんの報告から、今日も始まりました。

主人は一週間ぶりの面会です。
「たけちゃん、昨日はいっぱい、目を開けてくれたんだって?すごいね!!
父ちゃんにも、目をあけているところ、見せて~」

うふふ、たけちゃん、寝っこけています。

「えー、見せてくれないの~?
じゃあ、指談の練習させて!!」

まだ主人は指談ができずにいるのですが、えー、今するの?
あはは(^_^;)、実にマイペースな旦那様なのです。

たけちゃんの手をとって、あーでもない、こーでもないと、頭をひねっています。そして、

「ねえ、たけちゃん、なんか言いたいみたいだけど、
何て言ってるの? 通訳して。」


「2さいじ(におしえる)より むずかしい。」
ぎゃはは!! さすがたけちゃん。つっこみにキレが出てきました。

「なんだってー!!」すねている旦那様に、
「まずは基本の○×から、やらせてもらいなさいね」と諭します。
やり方のアドバイスは、お姉ちゃん直伝。
「ひなはすごいな~。こんなやり方、自分で気付いたんだもんな~」
そんなこと、言っているうちに、たけちゃんはとっても協力的、
何と主人でも○×、1~9までのほとんどの数字を、感じることができたのです。

「なんだかんだ言ってもね、やっぱりお父さんとお話できたら、
たけちゃん嬉しいよね~!!」
目をあけていたのはわずかな時間でしたが、
指談が進歩して、とっても満足げな主人でした。

このマイペースな主人に助けてもらっているところが実はいっぱいあるなあ~と、
久々にほのぼのとした気持ちになりました。


12月2日

主治医の先生に紹介状を書いていただいたり、市役所に書類を取りに行ったり…で、
病院に到着したのはお昼過ぎでしたが、
昨日とうってかわって、たけちゃん、しっかり目をあけて、待ってくれていました。

「夜は落ち着いて、よく眠れていましたね。
Aライン(血圧を継続してモニタリングできる点滴)がだめになってしまったのですが、血圧も落ち着いてきているので、そのまま中止になりました。」との看護師さんの説明、
二日連続で「落ち着いている」と言ってもらえたことで、
ずっと続いていた緊張感が、少しほどけていくのを自分の中に感じました。

「Aラインさん、すごいね。10日以上も頑張ってくれたよ。
たけちゃんの血圧が落ち着くまで、ずっともってくれたね、ありがとうだね。
きっと、もう大丈夫だから、役割を終えたんだね。
左手さんもずっと動かせずに、よく頑張ったね。えらかったね。」
いっぱい感謝をこめて、固定されていた腕をさすりました。


担当の先生が「いかがですか?」と様子を見にきてくださいました。
顔や足をくすぐって刺激し、
「たけちゃん、いやだったら『べー』してね」と声をかけます。
すぐに舌を出したり、足を引きつけたり、
言われていないけど『ふんっ』と大きなためいきもついたたけちゃんです。

「おお、いいねぇ!!」
たけちゃんの反応に、先生も嬉しそうです。
「たけちゃん、一番かっこいいところ、先生に見てもらえたね!!
頑張って、えらかったね~」
看護師さんにも、たくさんほめていただきました。


今日は、指談でもしっかり言葉を伝えてくれます。

『これまでを なつかしむのは やめるよ
こうかいしないで いきたいね』

『ぼくにしか つたえられないことがある』

「たけちゃんはすごいね。いつもいつも、かっこいいよ」
だいすき、だいすきと抱きついてしまいます。

『つらくても たいへんでも まえをみていようよ』
そう言って、約2時間、目を開けてくれていました。


うん、そうだね。いつもいつも、前を向いていようね。



12月3日

今朝も「安定している」との看護師さんの言葉。
「回復に向かっているんだなあ」と、心が穏やかになります。
洗髪や体拭きの間、しっかり目をあけて、
足裏を刺激すると、いっぱい足をひきつけたり伸ばしたりして反応してくれます。
「えー、たけちゃん、家にいる頃より、足の動きが良い気がするんだけどー!!」
小さな変化にも、嬉しくて嬉しくて、笑顔がこぼれてしまいます。


そして、今日もとっておきの言葉のプレゼント。

『ここは ぼくのいえじゃないよね
ありがとう
いつも あいにきてくれて
いつも はなしを きいてくれて』

ああ、たけちゃん、毎日毎日、幸せで涙があふれるよ。
ありがとう。私のほうが、ありがとうだよ。

目をあけて、話しをしてくれました

11月28日

おしっこがたくさん出てしまうことは、脳や腎臓だけでなく、
心臓にも影響するということ…
前日の夜は、血圧が70台から上がらなかったり、心拍数が50台になってしまったそうです。
それで、血圧をコントロールするお薬が夜から開始されていたのでした。

一度は止まってしまった心臓ですが、お薬にも手伝ってもらって、
一生懸命拍動を続けてくれています。

午前中、一度も目をあけることのなかったたけちゃんですが、
指談では3回続けて『たいへん』と伝えてくれました。

間違いなく、たけちゃんは「たいへん」な状況にいます。
それでも、汗をかけるようになったり、指先の小さな動きが見られ始めると、
わきあがるように「たけちゃんはだいじょうぶ」と思える自分がいました。

そして、まるで私の勘のような思いを裏付けるかのように、
この日の午後、たけちゃんは力強いメッセージを、指談で伝えてくれたのでした。

『まけないよ  やることがいっぱいある』

わあ、たけちゃんはやっぱりすごいのです。
かっこいいのです。
「勇者たけちゃん」
皆さんがそう呼んでくださることも、間違いのないことのように思えてきます。



11月29日

血圧を薬でコントロールすることで、
おしっこの量やそれを補正する点滴の量もずいぶんおさえられるようになってきました。
少しずつ薬の量を減らしていっても、血圧も心拍数も低下することなく、
呼吸器の設定も、入院前の値にだいぶ近づいてきました。
午後からは少し注入を開始しました。
ずっと休めていたお腹さんにも、少しずつ頑張ってもらう時がきたのです。
「まだまだ乗り越えなければならない課題はたくさんあります。」
担当の先生は厳しい表情ですが、
たけちゃんが一歩一歩前に進んでいることは、間違いないことです。

『いまを いきる』

『がんばるしかない』

指から伝わるたけちゃんの力強い言葉は、いつもいつも私を勇気づけてくれます。



11月30日

血圧をコントロールしていたお薬が中止になりました。
治療はだんだんたけちゃんの生きる力に、比重が傾いてきたように感じます。

どちらかというと、右向きが苦手なたけちゃん、
「右向きだと少し血圧も心拍数もあげていやがるし、
左向きだと安心するのか、血圧も心拍数もすぐに下がるね。
たけちゃん、わかりやすいね~」
あーあ、たけちゃん、あっけなくばれちゃったねぇ。

でも、看護師さんとのこんな何気ない会話の中に、
たけちゃんの強さやたけちゃんらしさを感じて、嬉しくなるのでした。

午前中から指談でも話してくれましたが、
当たり前のことですが、けして前向きな言葉ばかりではありません。

『こころから ふるえるように こわくて たまらないよ』
そう言うたけちゃんを、私はただただ抱きしめます。

「たけちゃん、怖いね。そうだね。
でもね、お母さんが一緒だよ。いつもいつも、ここにいるよ。」

ぐっすり寝ている時間のほうが、まだまだほとんどのたけちゃんですが、
目が覚めると、まず口元の動きが見られます。
「あ、たけちゃん、起きたね。口を動かすのは、そんなに大変じゃない?」
ピッタリのタイミングで口を動かすたけちゃん。
「わあ、たけちゃん、口の返事、すごい上手だよ!!
じゃあね、お母さんの質問に、口で返事してくれる?」
また、タイミング良く、口を動かします。
たけちゃんはその間、目はあけていません。
口の動きも、偶然かもしれません。
見る人によっては、私の勘違いで、まだ目も覚めていないし、
返事なんかしていない…そう言われてしまうかもしれません。
でも、心の目と心の耳を澄ませて、自分の勘を信じます。

「お母さんの声、ちゃんと聞こえる?」
口元が動きます。
「お母さんの顔は見えてる?」
動かない口元…
「光は見えてる?」
口元が動きました。
「もやがかかっているみたい?」
また、口元が動きます。
「こわくてたまらないのは、見えなくなってしまったから?」
すごいタイミングで口元が動きます。

「ああ、そうだね、見えないことはとっても怖いね。
でもね、たけちゃん、宮ぷーさんもはじめのうちはそうだったんだって。
だいじょうぶだよ。たけちゃん。今がその時じゃないだけだよ。
絶対、見えるようになるからね。」
そんな風に話すと、たけちゃんはすっと目をあけてくれました。

これまでも、時々目をあけてくれましたが、
体交をした後や吸引をした後などに、わずかな時間あけてくれる程度でした。

「母の勘違いなんかじゃないよ。
ちゃんと聞こえているし、全部わかっているよ。」と、
まるで周りのスタッフの方に伝えるかのように、
約1時間の間、しっかり目をあけてくれていたのでした。

今日はたまプラーザの國學院大學できんこんの会が行われていること、
かっこちゃんも初めてきんこんの会に参加してくださったこと、
指談や筆談の練習をしてくださっている方がいっぱい増えていること…
そんな話しをしていると、
目をあけたままで、指談で言葉を伝えてくれました。

『あいたいよ

みなさんへ

あえるね

よかった』


ああ、たけちゃん、本当なら目をあけていることも、
まだまだ大変なことだと思うのに、
ずっとずっと祈ってくださっている皆さんに、
温かい愛で包んでくださっているたくさんの皆さんに、
少しでも安心していただきたかったのでしょうか?

ありがとう、たけちゃん。
愛を、勇気を、本当にありがとう。
そして、ずっと祈ってくださっている皆さんに、
ただただ感謝の思いがあふれるのです。
プロフィール

折りばら

Author:折りばら
たけちゃんに出会って、このブログを訪れてくださった皆様、ご縁をありがとうございます。
生まれつきの重い障がいをもちながら、地域で当たり前に生活できることを目指すたけちゃん、その周りはいつも愛と笑顔があふれています。時にはとびきり素敵な経験をさせていただくこともあります。
このブログを訪れてくださった皆様に暖かい風が吹くことを願って、たけちゃんの日常をお届けできたら嬉しいです。

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