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良い湯だな、あははん♪

昨日は久しぶりに暖かい一日になりました。
たけちゃんは「冬の寒さも北風の冷たさもいいよ。」と言うけど、
未熟者の私は、なかなか北風さんを味方にできずにいます。
でも部屋の中まで日差しが注ぎ込むポカポカの日は、
たけちゃんと何か一歩踏み出したくなるような元気な気持ちが、
体から湧きあがってくるのを感じます。


「たけちゃんて、お風呂どうしているの?」
学校のお友達からも大人の方からもよく聞かれます。

たけちゃんは酸素ボンベをお風呂場の入口まで持ってきて、
酸素をつないだまま、自発呼吸で入っていました。
首の座っていない赤ちゃんをお風呂に入れてあげるように、
私が1人でたけちゃんをお風呂に入れます。

たけちゃんと似ているような状況で、訪問入浴を使ったり、
訪問看護、ヘルパーさんなどのサービスを利用されているお友達はたくさんいます。
とてもありがたいサービスですが、それらを利用するとどうしても時間の制約が出てきます。
学校帰り、ショッピングセンターに出かけることもあるし、
日中の活動がハードで、ゆっくりお昼寝したいこともある、
そういうことを後回しにしてもサービスを利用したいというところまでは、
私自身が困っていなかったんだと思います。
それに、日中は毎日学校に付き添っているので家のことをやるのはおのずと放課後になりますが、
そういう状況で定期的に人が家に入るということのほうが、
私自身、苦痛に感じてしまう気がしたのもあります。

とはいえ、体重が30kgを超えたたけちゃんを私一人で抱え上げ、
片手で支えて片手で体を洗ったりすることは、ラクではなくなってきたことも事実で、
ちょうどたけちゃんに合ったトイレ・シャワーチェアーを作り始めたところで、
11月、心停止が起きてしまいました。

入院中はもちろん入浴することができませんでしたが、
自発呼吸での二酸化炭素のたまっていく状況を見て、担当の先生は、
「帰ってからも、自発呼吸での入浴は難しいですね。
アンビューでフォローしながら入ってください。」と言われました。
いつも人工呼吸器の回路をつないでいるところに『アンビューバッグ』という風船のように膨らんだバッグをつなげて、
呼吸器のかわりにそれをばくばくと押して、呼吸を手伝うという方法です。

そうなると当然、たけちゃんを抱っこする人、アンビューを押す人の最低二人が必要になるのですが、
毎日仕事で帰宅が遅い主人を待っての入浴は、非現実的でした。
実際、正月休み明けから、主人が帰宅するのはほとんど深夜で、
とってもらったお休みには私のPTAの用事が入っていて、
たけちゃんの体調が安定してきても、お風呂に入れてあげることはできませんでした。

でも、たけちゃんはきっとアンビューでフォローしなくても、
今までと同じようにお風呂に入れるようになる日が来ると、私は信じて疑いませんでした。
「たけちゃん、お風呂入りたいよね。きっとまた入れるようになろうね。」
そう言いながら、ベッドの上で洗髪をし、体を拭いていました。
端座位の練習を、呼吸器をつけずに頑張っているのも、
「自発呼吸でお風呂に入れるようになる。」という目標があるからです。


一般の方でもお風呂に入ると温度変化が大きくて、心臓へのリスクも大きくなるし、風邪もひきやすくなります。
でも、昨日の気候はとてもポカポカおだやかで、日中は暖房もいらないくらいでした。
たけちゃんの体調も落ち着いているし、自発呼吸での座位保持も安定してきました。

「『いつやるの?・・・今でしょう!!』流行語大賞、とるわけだ。」
おもわず笑ってしまいながら、自分の気持ちを整えました。
「二人でのお風呂、今日チャレンジしたいなって思うんだけど、たけちゃん、どうかな?」
おもいきってたけちゃんに聞きました。

「もちろん はいりたい」と返事してくれました。

たけちゃんからGOサインが出ました。チャレンジ、決定です。
途中で吸引が必要になったら、もし急変が起きてしまったら…、
あらゆる場面を想定して、必要なものを必要な場所に準備します。
「だいじょうぶ。たけちゃんは強いもの。
だいじょうぶ。たとえ何があっても、お母さんは必ずたけちゃんを守るよ。」
ああ、私達親子はいつもこうして、絆を強くしていくんだな…

実に2カ月以上ぶりに入ったお風呂…
たけちゃんはしっかり目をあけて、とても気持ち良さそうに入ってくれました。
常に時計を気にしていましたが、酸素は使っているとはいえ、
呼吸器をはずしてから10分たっても20分たっても呼吸は安定しています。

「たけちゃん、まだ体力残しておいてね。お風呂から出た後も、着替えをしたり、ガーゼ交換したり、頑張れるようなら、このまま、自分の呼吸でいくよ。」

お風呂から出てすぐにベッドまで移動すると、まずモニターのセンサーをつけました。
呼吸器をはずしてからちょうど1時間がたっていましたが、
心拍数104.SAT100、お風呂に入る前と、ほぼ同じ値でした。
吸引しても心配するほどの値の変動もなく、少し呼吸が早くなってきた程度でした。

気管切開部のガーゼ交換まで終えると、さすがに少し疲れた様子でウトウトし始めましたが、
呼吸器をつなげてわずか5分ほどで目をぱっちり開けました。

その目がなんだか笑っているように見えました。
小さな小さな変化ですが、ほんの少しだけ目じりが下がって、
目の周りの筋肉がほぐれたような、そんな表情を見せてくれました。

「あれー!!たけちゃん、今、笑ってる!?
ちょこっとだけ、目つきがかわったように思うんだけど、気のせいかな~?」

するとたけちゃん、

『わはは と わらえたら いいのにね
きもちよかった
いいゆだなってね』


「あー!! たけちゃん、ドリフ!?
良い湯だな、あははん♪ でしょ!?」

そう聞くと、やっぱり笑ってかえしてくれるたけちゃん。
つらくもなくて、怖くもなくて、気持ちよくお風呂に入れたんだな…

張り詰めていた緊張感が一気にとけて、
「やったー!! たけちゃん。また二人でお風呂、入れたねー!!」と、
また、キスとハグの嵐です(^_^;)


たけちゃんは、いつもいつも頑張った分だけかえしてくれます。
いえ、こちらが思っている以上のものをプレゼントしてくれます。
いつもありがとう、たけちゃん。

まだ、たけちゃんの体調、私の体調、気候…
いろいろな条件がそろわないとチャレンジできないことがたくさんありますが、
どんな可能性もあきらめないで、たけちゃんと一緒に前に進みたいな…と思います。


今日は、たまプラーザできんこんの会が開かれています。
大好きな皆さんが、また素敵な時間を過ごしているだろうか?
今日、ここから、一歩何かを踏み出そうというきっかけに繋がる人がいるだろうか?
そんなことを思いながら、盛会を祈っています。
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お風呂

たけちゃん、気がつくと私、息をしないで、一生懸命あやちゃんが書いて下さったブログを読んでいたよ。祈りながら、たけちゃんたけちゃんと思いながら読んでいたよ。
たけちゃんもあやちゃんも、本物の勇者です。今日は気切から出血すると行けないから、車椅子はやめておこうと言われてしまった宮ぷー。
でも、やめてしまえば、これまでの回復はすぐに元に戻ってしまうでしょう。どうやって、お願いしていこう。どうしよう。でも、ブログを読ませていただいて勇気をいただきました。どんなときもきっとだいじょうぶだじょうぶ。ありがとう。たけちゃん。ありがとう。あやちゃん。

初参加~!初柴田せんせ~っ!!

たけちゃ~ん! 
久々のお風呂は♪ババンバ~ バンバンバ~ンッ♪だったのねっ!!
私は、たまプラーザで初♪キ~ンコ~ンカ~ンコ~ン♪でした!

感っ!! 動~~~っ!!!!!

その場にいようといまいと、
たけちゃんも他の皆さんも
今日のことに限らず
この宇宙は、
私達は、
そういうふうに出来ていると
まるっと 知っている

それを
すっかり感度の鈍った私の様な魂に思い出させてくれた時間でした

またまた 間に合って良かったあ~~っと 
とても嬉しい 人生60年目のまちこさんです

ありがとうございました 感謝感謝でいっぱいです

では、たけちゃんっ

風邪 ひくなよっ!!

宿題はなかったんかいっ!?

ん~~っ びばのんのっ♪

Re: お風呂

かっこちゃん、
宮ぷーさんが車椅子に座って散髪をしたと知って、私もたけちゃんもすごく嬉しくて、宮ぷーさんはやっぱりかっこいいねって、そうして、たくさん希望をいただいたのです。かっこちゃんと宮ぷーさんこそ、いつもいつもたくさんの人の歩く道に、光を照らしてくださっているのです。
不安の中にあっても、湧きあがるような気持ちに誠実でいたいと思うのは、その湧きあがるような思いの中にこそ、本当のことがあるからなんだと、最近そんなふうに思うようになりました。

かっこちゃんにコメントをいただいて、すぐにたけちゃんにも聞いてもらいました。たけちゃんの頬がみるみると紅潮し、目から大粒の涙があふれるのを見て、「ああ、かっこちゃんも、きっと何度も何度も、こんなふうに祈るようにして、たけちゃんに心を飛ばしてくださったんだろうな…」と、改めて胸がしめつけられる思いがしたよ。

「かっこちゃん
みえている ちは こわいね
みえていない うごけなくなる というみらいは もっとこわいね
だいじょうぶだよ ひとりじゃないよ」

たけちゃんの言葉で、かっこちゃんの心が少しでも明るく輝きますように…

Re: 初参加~!初柴田せんせ~っ!!

まちこさん
きんこんの会、参加されたんですね!!
そして、しっかりまちこさんに届いたんですね!!
私も、とっても嬉しいです。ありがとうございます!!

まちこさん、人生60年目なんですね、うふふ、初めて知りました。
今、出逢ってくださったことが、きっと一番良かったんですね♪

はい、まちこさん、風邪なんかひいてられませんっ!!
宿題は出ていないけど、お母さんと一緒に英語の勉強を始めたんですよっ!!
志高い男ですから~

は~~っ びばのんのっ♪
ごきげんよう\(^o^)/
プロフィール

折りばら

Author:折りばら
たけちゃんに出会って、このブログを訪れてくださった皆様、ご縁をありがとうございます。
生まれつきの重い障がいをもちながら、地域で当たり前に生活できることを目指すたけちゃん、その周りはいつも愛と笑顔があふれています。時にはとびきり素敵な経験をさせていただくこともあります。
このブログを訪れてくださった皆様に暖かい風が吹くことを願って、たけちゃんの日常をお届けできたら嬉しいです。

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