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「なんで?」と「大丈夫?」

天気予報通り、今日は久しぶりに雨が降っています。

たけちゃんの学校は今週末運動会で、今日は予行練習の予定だったそうですが、
今日の雨の予報で、前日の昨日に予行練習が変更になりました。
昨日は1週間に1度のたけちゃんのリハビリ登校の日で、
校長先生が前日にわざわざ電話をくださいました。

「こちらのスケジュールが変更になってしまって、
明日は予行の見学という形になってしまって申し訳ないのですが、
でも、明日小西君が来るの、待っていますからね~。」と。

いえいえ、リハビリ登校だとしても、こちらは特別なことをして頂きたいわけではないのです。
かえって、全学年が集まる場にいられるのは、すごくラッキーだと思いました。

たけちゃんが登校したのは1時間目が終わる少し前の時間で、
校庭では子供たちが開会式で歌う歌の練習をしていました。

「このあと、休み時間になると、子供たちがわーっと動いて、砂埃がたつだろうな…
砂埃がすごいと、たけちゃん、大変だよな・・・」
校長先生と教頭先生とで、たけちゃんの見学場所について、
いろいろ検討してくださっています。
「大丈夫ですよ。」とお伝えしましたが、先生方が心配に思う気持ちもわかるので、
案内に従いました。

予想通り、休み時間の合図で、子供たちが駆けてきて、
たけちゃんのところにも、いろんな学年のお友達が来てくれました。

5年生:「たけちゃん、久しぶり!! 入院してたの?」
母   :「うん、1カ月だけ入院して、もう元気になったよ。」
5年生:「えっ、1カ月しか入院してなかったの? じゃあなんで学校、来なかったの?」
母   :「う~ん、たけちゃんも行きたかったんだけどね・・・(^_^;)」

3年生:「たけちゃん戻ってきたんだ!! じゃあ、またなかよし(特別支援学級)に行くね!!」
母   :「わあ、ありがとう。休み時間、また一緒に遊ぼうね。」
3年生:「じゃあ、今日のお昼休み、なかよし行っていい?」
母   :「たけちゃんは、2時間目終わったら帰らなきゃいけないんだ、ごめんね。」
3年生:「ええ~!!来たばっかりなのに、もう帰っちゃうの~!?なんで~???」

6年生のHくんは、周りでみんながいろいろ話していたので、ただそこにいてくれたのですが、
たけちゃんの口角からよだれが流れるのを見ると、
何も言わずに、そっと拭き取ってくれるのでした。
6年生の彼がどうしてこんなにも自然にそんなことができるのか、
嬉しくて彼の優しさに胸がいっぱいになるのです。

去年は別校舎で、ほとんど関わりをもてなかった2年生もそばに来てくれました。
でも、どんなふうにたけちゃんと接したらいいのかわからなくて、
たけちゃんの様子をただ見ていました。
ラッキー♪みんな体操着を来ているので、名字だけはわかります。
「○○くん、こんにちは」そう言って、たけちゃんの手を前に差し出すと、
はじめての子もそっと優しく握手してくれました。

そばで様子を見ていた先生達が、口々に
「ほら~、砂だらけの手でさわっちゃだめだよ~」とおっしゃいます。
たけちゃんのことを心配してくださってのこと。
でも、私、たとえ泥だらけの手でも、たくさんの子たちに
たけちゃんに触れてほしいな~と思っているのです。

「大丈夫です。」ここでも私はそう言います。
残念ながら、たけちゃんは自分の手を自由に動かすことができません。
誰かに手伝っていただかないと、感染の入口になる気管切開部や顔に、
自分の手で触れることができません。
吸引などで、清潔が必要なのは私の手です。
たけちゃんの手は、汚れたら後で洗えばいい。
・・・というか、そもそもその程度で病気をもらってしまうほど、
箱入りで育てられていないのです(^_^;)

上の学年の子供たちの様子を見て、1年生も集まってきてくれました。
たけちゃんのことを、ほとんど見たこともない子達です。
ストレッチャーに横になっているたけちゃんが、不思議でしょうがないのです。
1年生:「この子、どうしたの? なんで寝てるの?」
3年生:「寝てないよ!! この子じゃないよ、たけちゃんだよ!!」
1年生:「・・・???」
母   :「はじめまして。4年生なの。よろしくね。」
1年生:「・・・???」
母   :「ほら、1年生、かたまっちゃってるよ。上級生、1年生にたけちゃんのこと紹介してあげて。」
3年生:「たけちゃんのこと、好き? 私、好き!! うふふふ・・・」

10分間の休み時間は、あっという間に終わって、
また砂埃をあげて、子供たちが校庭に集合していきました。
入れ違いで、交流先の4年生の担任の先生がたけちゃんに声をかけてくださいました。

「たけちゃん、おはよー!!
あ、今日は顔色も良いし、良い感じだね~。
1組さんね、4月からいつも誰かしらお休みの子がいて、今日、やっと、全員そろったの。
それで、2時間目が終わった後、みんなで集合写真撮るから、たけちゃんもよろしくね!!
外だと砂埃がすごいから、教室の前の廊下で撮ろうかなって。

たけちゃんは砂埃とか大丈夫なの?」

いつからでしょうか?
これまでにもたけちゃんのことを、本当にたくさんの方に「大丈夫?」と声を掛けていただいてきました。
皆さん、心からたけちゃんのことを心配してくださっての言葉です。
ところがこの「大丈夫?」の言い方と態度で、
「この人は、親なのにそんなことも配慮できないのか?と思っているんだろうな…」ととらえるか、
「ああ、この人は、一般的にはこうだけど、たけちゃんの実際はどうなのか知ろうとしてくださっている」ととらえるか、
もう、これは私の思いこみでしかないのですが、2つに分けてしまう自分がいます。

担任の先生の「大丈夫?」は、後者に感じました。
疑っているというより、知ろうとしてくださっている・・・

「ここに『人工鼻』というのがあって、この中に優秀なフィルターが入っているので、
いろいろ取り除いてくれるので、大丈夫なんですよ。」とお伝えすると、
「そうなんだ!」と、すごく驚かれたような、納得されたような表情をされて、
「じゃあ、たけちゃん、またあとでね~」と、子供たちのもとに戻っていかれました。

たけちゃんのことを「大丈夫」と言う時、
経験だったり、備えだったり、たけちゃん自身の言葉だったり、
そう言うだけの根拠が必ずあります。
それを言っても、たぶん自分の目で確かめて経験しないと、この人にはきっと信じてもらえることはないだろうな…と、
思いこみで分けることは、ああ、やっぱり良くないな…と反省するのですが、
なかなか器の小さい私です。


たけちゃんの学校は、校舎と校庭で高低差が少しあって、校舎に戻るには上り坂があります。
予行練習が終わり、またたけちゃんのそばに来てくれた子供たちに、
上級生を中心に「押すの手伝って~!!」と声を掛けると、
あっという間に私が持つところもなくなるほど、たくさんの子が手伝ってくれました。

手持無沙汰にしている私のところには、仲よしのRちゃんとTちゃんが抱きついてきてくれます。
Rちゃん:「ねえねえ、今日から毎日学校に来れる?」
母    :「うーん、まだ毎日は来れないな~」
Rちゃん:「えー!! なんでー??」
母    :「…なんでだろうね~」
Tちゃん:「じゃあさ、土曜日に学校来れば?」
母    :「やだ、みんなのいない学校になんで行くのよ?」
Tちゃん:「えー、だっていつも学校に来ちゃいけないんでしょ?」
母    :「今は、まだね…来週、今度は水曜日に来るよ。」
Rちゃん、Tちゃん:「えー!! なんでー??」

短い時間の中で、たくさん「なんで??」って、子供たちに聞かれちゃったな…
たけちゃんのことは、たいてい答えることができたのに、
今回のことは、私、やっぱり答えることができないな…


昨日は放課後、PTAのパトロール当番もあって、たけちゃんにも付き合ってもらいました。

実は、12月の退院の時、担当の先生に
「呼吸器を外せる時間は、長くても1時間で、たぶんこれ以上長くすることはできないでしょう。」と言われいたのですが、
家に帰ってきて、どんどん回復してきたたけちゃん、
反応と共に、呼吸状態もずいぶんしっかりしてきました。
それで、自分で呼吸する時間を少しずつのばしていたのですが、
先週の土曜日、定期受診での検査結果もまずまずで、
日中、連続で8時間、呼吸器を外すことにチャレンジしはじめたのです。

16時、呼吸器をはずして7時間が経っても、たけちゃんの呼吸はずっと安定しています。
雲が多くなって、気持ち良い風がふわっと吹くと、
自然とたけちゃんから笑みがこぼれました。

「たけちゃん、今日学校に来ていたの、見たよ~」と声を掛けてくれる子や、
卒業して中学生になった子も、たけちゃんを覚えてくれていて、
あいさつしてくれて帰っていきました。

同じ4年生のSちゃんは、少し男勝りの性格で、
自分から男の子にも喧嘩をふっかけて、小さな傷をつくらせちゃうことがしばしばあるのだとか…
そのSちゃんがたけちゃんの前を通り過ぎる時、またふわっと風が吹きました。

「たけちゃん、笑ってる…、うふふ…」
Sちゃんが気付いて、足を止めてくれました。
一緒に帰ってきた子達も、「あ、本当だ、うふふ…」と、
ほんの10秒たらずのことでしたが、一緒にほほえみあっていました。
たけちゃんの笑顔で、Sちゃん本来の女の子らしい笑顔が見えました。
それを見たお友達も笑顔になって、たけちゃんの笑顔も続きました。

ああ、お友達って、本当に嬉しいです。


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プロフィール

折りばら

Author:折りばら
たけちゃんに出会って、このブログを訪れてくださった皆様、ご縁をありがとうございます。
生まれつきの重い障がいをもちながら、地域で当たり前に生活できることを目指すたけちゃん、その周りはいつも愛と笑顔があふれています。時にはとびきり素敵な経験をさせていただくこともあります。
このブログを訪れてくださった皆様に暖かい風が吹くことを願って、たけちゃんの日常をお届けできたら嬉しいです。

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