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運動会

昨日は小学校の運動会がありました。

この学校の児童でありながら、競技に参加することができないたけちゃん、
小学校生活最後の運動会を迎えるお姉ちゃんの応援という名目があったとしても、
やはり微妙な立場に、胸のざわつきを感じていたようです。

たくさんのお友達やママ達が事前に
「運動会、たけちゃんも来られるよね!?楽しみにしてるよ。」と声かけてくれました。

同じクラスのしゅうちゃんのママは、
「うちが借りた駐車場に車を停めればいいからね。」と、
当日の朝、駐車券をわざわざ届けに来て下さいました。

1・2年生の時の担任だったAちゃんも、
心配して朝からメールをくださいました。

まだ1度もお話ししたことがないお母さんもたけちゃんの姿を見て
「元気になったんだね。良かった~!!」と声をかけてくださったり、
たけちゃんが来ていると聞いて、校庭1周して顔を見せてくれたママもいました。

他にも保育園の時の先生や、お姉ちゃんの以前の担任の先生方など、
本当にたくさんの方がたけちゃんに声をかけてくださいました。

市内の他の学校のお友達のNちゃん親子も、今年も顔を出してくれました。
卒業生や他の学校に移動された介助員の先生方とも、嬉しい再会がありました。

そして、運動会本番を迎えて元気いっぱいの子供達も、
たけちゃんの存在に気付くと、たくさん話しかけてくれました。

ところがたけちゃん、昨日はほとんど目を開けることがなかったのです。
日陰にいたので、暑くて辛いというほどでもないし、
まぶしくて目が開けられないということもありませんでした。
モニター上は寝ている様子もないし、体調も安定しています。
父兄がたくさん来ていてつらいということも、考えづらいことでした。
目を閉じて耳からの情報に集中しているというよりも、
あえていろんな情報をシャットアウトしているようにさえ感じました。

ある4年生の子が
「たけちゃん、今年は運動会の練習できなかったから、一緒にダンス踊れないね…
でも、こうして見ているだけでも、一緒に参加してるってことだよね。」と言ってくれました。

競技で大活躍したあと、わざわざたけちゃんのところまで駆け寄って
「ねえねえ、たけちゃん、見ててくれた!?」と聞かれても、
「あ、次、お姉ちゃんの番じゃない?」と促されても、
かたくなに目を閉じているばかりでした。


「たけちゃん、昨日の運動会どうだった?」
一夜明けて聞いてみると、たけちゃんがとても意外な言葉を口にしました。

「はっきりいって よく おぼえていないよ
ぼくは みんなとちがうからだでうまれてきたから 
みんなとちがうじんせいをおくるのは わかっている。
でも じぶんのがっこうのうんどうかいなのに
ぼくのいばしょは どこにもなかった。
ぼくはただ めをつぶっているしかなかった。」

ああ、やっぱり・・・と、胸が痛みました。
でも、たけちゃんが正直に言葉にしてくれるのが嬉しかったです。

「うんうん、たけちゃん、思っていること、全部言って良いよ。
泣いたって、怒ったって良いんだよ。」そう言うと、
「ふーん!!」とひとつ、大きなためいきをついてから、
また指談で言葉を綴ってくれました。

「おとなのりゆうで ぼくががっこうにいけないということを 
こどもたちは だれも りかいできないとおもうよ。
がっこうにいっても まわりはおとなだらけだし
いますぐにでも ばっくれたい きぶんだよ。」

仕方がないことかもしれませんが、リハビリという授業の間、
たくさんの先生方がたけちゃんのそばにいます。
大人が複数集まれば、雑談も生じてしまうのです。
その時間はたけちゃんにとって大切な1時間であるはずなのに、
たけちゃんと全く関係のない話しも、たけちゃんの前で平然とするのです。

「えー!? たけちゃん、ばっくれるなんて言葉、使うんだ(驚)
じゃあさ、今度のリハビリ登校、ばっくれちゃう?(笑)」と冗談で聞くと、

「まいにち がっこう いきたいよー
おかあさん なんとかしてよー」と、
めずらしくストレートに伝えてきました。

ここで通訳はお姉ちゃんとバトンタッチ。
「もしかしたら、お母さんに面と向かって話しづらいこともあるかもしれないから、
ここからはお姉ちゃんが通訳してくれる?」とお願いしました。

私は離れていたのですが、結局お姉ちゃんに伝えた言葉は
「がっこうにいきたいのに どうして ふつうにいけないのか。
ふつうに がっこうにいきたい。
きもちが わかってほしい。」
ということだけだったそうです。


「じゃあ、これからどうしたら良いかな?
教育委員会の先生と1対1で話したい?」

『×』

「学校の先生と、1対1で話したい?」

『○』

「間に誰かに入ってもらおうか?」

『×』

ここでまた、通訳を交代しました。
お姉ちゃんもつらいし、わからないのです。
「たけ、元気になったのに、どうして学校にいけないの?」
たけちゃんの気持ちが、誰よりもわかるお姉ちゃんですから。

「たぶん そしきには なにをいっても こたえはかわらない。
でもぼくは ひととひととのかかわりのなかで いきているんだ。
ひとと はなしがしたいよ。
ぼくのことを まっしょうめんから むきあってくれるひとと」

痛烈な言葉です。
大人の都合をこんなにもわかっていて、
こんなにもがまんして、こんなにも傷ついている。

たけちゃんにとっては、本当に苦い運動会となってしまいました。
こんな思いは、もう二度と、誰にも、あじあわせたくありません。


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運動会

運動会翌日のたけちゃんのことばに胸が痛みました。どれ程悔しい思いをしているのでしょう…。学校や先生方は もう少しちゃんと 正面からたけちゃんに向き合い たけちゃんが心から望んでいることを叶えて欲しいです。逃げないで欲しいです。
たけちゃんが望んでいることは 決して無茶なことではありません。
自分の学校の運動会に参加したいって 当然の権利です。運動会だって授業のひとつです。授業を受けたいと願っている児童生徒が 授業を受けられないなんて憲法にも違反してます。たけちゃんは間違ってなんかいないのに…。周りの大人は何してるんですか…。辛いですね。悔しいですね。

Re: 運動会

カズノッチさん

いつも、たけちゃんに心を寄せてくださって、ありがとうございます。
ずっと誰のことも責めずに、傷つけずに、言葉を飲み込んできたこともたくさんあったと思うのです。
でも今回、自分の気持ちをストレートに伝えてくれたこと、正直安心しています。
きっとたけちゃんのことなので、言うならこのタイミングが一番効果的と考えてのことかもしれませんね。
たけちゃんのゴーサインが出ました。
明日リハビリ登校なので、しっかり、たけちゃんの思いを伝えてきたいと思います。

ファイト~!!

たけちゃんの後に道はできるのだ!!
たけちゃんファイト~!!

みんな、応援してるからね\(^o^)/

運動会、たけちゃんも、みんなと一緒に、参加したかったね!

学校での話し合い、どうか、まっすぐに、たけちゃんの気持ちをくんで、即、実践していただきたいですね。
来月は、もうすぐ、来月からは、毎日登校できるのですよね。
いつか、お会いできる事、楽しみにしてますねヾ(@⌒ー⌒@)ノ

Re: ファイト~!!

カズノッチさん

「ぼくは がっこうのみんなと いっしょにいたい。
このみちを じぶんがきりひらいていくと きめた。
まだできることがある。」

たけちゃんに、笑顔が戻りました。
大丈夫です。ありがとうございます。
エイエイオーです!!

Re: みんな、応援してるからね\(^o^)/

光さん

先日のリハビリ登校では、なかよし全体の授業で運動会の振り返りがありました。
また目を開けてくれないかな・・・と不安でしたが、お友達の頑張りを、しっかり目を開けて見て、感想を伝えることができました。
4年生の交流授業でも担任の先生のご配慮で、たけちゃんもストレッチャーの上で座位になって、クラスのみんなと一緒に運動会のダンスをおどることができて、とても気持ちが救われました。

6月の調整会議の結果を受けて、それ以降どのように登校できるのか、
まだ何も決まっていないのです。
この1カ月のリハビリ登校の振り返りの時間も共有できていないし…

先生方にはたけちゃんの今の気持ちをお伝えしたうえで、
意見交換ができる時間を、授業ではない時間につくっていただきたいとお願いしてきました。

たけちゃんの思いを真摯に受け止めて、話し合いの時間を設定してくださることを、
祈って待っています。
プロフィール

折りばら

Author:折りばら
たけちゃんに出会って、このブログを訪れてくださった皆様、ご縁をありがとうございます。
生まれつきの重い障がいをもちながら、地域で当たり前に生活できることを目指すたけちゃん、その周りはいつも愛と笑顔があふれています。時にはとびきり素敵な経験をさせていただくこともあります。
このブログを訪れてくださった皆様に暖かい風が吹くことを願って、たけちゃんの日常をお届けできたら嬉しいです。

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